一問一答症候群
中学校で成績が良かった君,一問一答症候群にかかっていないかな?
一問一答症候群とは,英単語を覚えるように,暗記に頼って問題を解こうとする症状のこと。
特に数学や理科で発症しがちなんだけど,よく理解しないまま,問題と解答を丸暗記してしまうという。
自分かも,って思った人は早急に治したほうがいい。
それを続けているといつか限界が来るし,下手したら多くのことを勉強し直さなきゃいけなくなるからね。
君は入試の難問も全部暗記で解くつもり?
知識の因数分解と展開
一問一答症候群は知識,問題を因数分解・展開することで予防できる。
得た知識を型にはめて整理するのではなく,今持っている知識とどうつながるか,次の知識とどうつながるかを考えよう。
これが癖になれば勉強したことを忘れにくくなるしね。
知識の因数分解
知識を因数分解するというのは,新しく得ようとしている知識が今ある知識とどうつながるかを考えること。
学校では知識を積み重ねるような順番で教わるから,あえて考えることはしないよね。
目の前の授業に集中するのも大事なんだけど,その内容がどこから来たものなのかを考えないと,つながりを意識することができない。
すると,一つ一つの事柄に対して深く考えることがなくなり,結果的に大事な事柄に対して鈍感になってしまう。
これは,時代背景や登場人物の過去,伏線やフラグを一切無視して物語を読み進めるようなもの。
こういったことを無視すると,主人公の発する言葉の意味や思いが理解できないだろうし,何より楽しめない。
1つの言葉より1つの文章,文章より段落,段落より章,章より一冊。
木を見て森を見ずな状態にならないよう,常に視野を広げておこう。
具体的にどう因数分解するかというと,単純に今まで勉強した範囲でつながる単元=因数を探せばいい。
高校生で習うことのほとんどは,小中学校で得た知識につながっているからね。
知識の展開
知識を展開するというのは,得た知識がどんな知識につながるかを考えること。
基本的に高校では教科書通りに進むから,この作業をすることはほとんどない。
小学生までは「このことからどんなことが分かるかな?」というようなことを聞かれる授業もあったと思うけど,時間に余裕のない高校ではほとんどないんじゃないかな。
これは非常にもったいない。
「知識が増えていく」より「知識が広がっていく」という感覚を大事にしてほしいな。
因数分解を繰り返すことで,知識と知識のつながり方が分かるようになり,そのつながり方を新しく得た知識にあてはめることで次の知識を想像する。
これが自然にできるようになるのが勉強に慣れていくということ。
常に新しいことをしているのではなくて,一つのことを長く続けているという意識でいてほしい。
物語を読むときも,このあとどうなるかな,ってドキドキワクワク想像しながら読むでしょ?
具体的には小学生のときの問いと同じで,「このことからどんなことが分かるかな?」と自問自答するだけ。
思いついた事柄が今後勉強する内容に含まれていればそれでいいし,なければぜひ自分で調べよう。
自分が思いついたことを調べて理解する,というのは自発的な勉強だから身につきやすいし,そこで得た知識が今後どのように活かされるかも分からないしね。