対策1:しっかりと枠組みを意識しよう
これは数学に限ったことではなく,全ての科目にいえること。
しっかりと引き出しを分けてラベルを貼り,引き出しの中にも仕切りを作って,最速でお目当てのモノを見つけられる状態がベスト。
別に正解があるわけではないし,自分の頭の中をどう整理するかしっかり考えるのが大事。
具体的には,まずラベルを考えよう。
例えば,考えやすいのは教科書の「第○章」というのがついている「単元」。
中学3年生でいうと「平方根」,「2次関数」,「三平方の定理」…
ただ,いきなり引き出しを増やしすぎてしまうと逆に混乱してしまうので,最初は控えめに,「基礎計算」,「関数・方程式・不等式」,「図形」,「確率・統計」,「その他」くらいに分けると良い。
次に,勉強する際には,必ずどのラベルか確認してから始めること。
「今から関数の問題を解くぞ」
「図形の問題がまだ得意じゃないな」
こうやって枠組みを意識することで,少しずつラベルと内容がリンクしてきて,ゴチャゴチャになっていた頭の中がスッキリしていく。
慣れてきたらどんどんラベルの細分化や,別の切り口でのラベルづけをしてみよう。
対策2:何を覚えるか明確にしよう
「小学生(中学生)までは算数得意だったのに,中学生(高校生)になったら苦手になった…」
って人,多くない?
この原因のひとつは「一問一答症候群」。
別に病気ではないけど,算数・数学を暗記に頼って解こうとする症状のこと。
たしかに,定義や定理,基礎問題は暗記が必須だけど,教科書の端から端まで暗記してたらいつかは限界がくる。
応用問題や入試問題まで暗記し始めたら数千,数万問になりかねないからね。
具体的には,教科書や授業内容,問題集から暗記するものを選ぼう。
まずは定義や定理。
これはスポーツでいうルールのようなものなので,暗記するしかない。
サッカーでは手を使わない,ボールはスイカじゃダメ,そのレベルの話。
次に基礎問題。
教科書でいう「例」のような問題。
定義の確認や定理,公式の使い方レベル。
ここまでは脊髄反射的に解けるようにならないと,応用問題に取り組むのが難しいね。
そして,問題の中のキーワード。
応用問題では問題文全てを暗記する必要はなくて,問題文の中の解法に繋がるキーワードを覚えるのが大事。
キーワードとは,上で覚えた定義,定理,基礎問題に繋がっている言葉のこと。
例)
「コインを4枚同時に投げたとき,少なくとも1枚が表になる確率を求めよ。」
この中でキーワードになるのは「コイン」,「少なくとも」,「確率」。
「確率」ということは全事象と該当事象の通り数が必要。
「コイン」ということは表裏の2択で,4枚あるから2の4乗で全事象は16通り。
「少なくとも」ということは余事象を使って解く可能性が高い。
「少なくとも1枚が表」の余事象は「全て裏」
「全て裏」という事象は1通り。
ということは該当事象は16引く1で15通り。
「確率」は「(該当事象の通り数)/(全事象の通り数)」で求めるから,答えは15/16。
こうやって問題文と解答の結びつきをしっかり見ながら問題を解くことで,覚えなければならないキーワードが見えてくる。
これ以外の内容は「覚えられた覚える」程度の感覚でいれば良い。
当然,知識が増えれば増えただけ数学が得意になること間違いなしだけど。
まとめ
「数学は覚えることが多すぎる」という思い込み。
実際には思い込みではなくて多いんだけど,数学は特に覚えたことを使いこなすことが大事になってくる。
しっかりと覚えることを限定して,ラベルを貼って頭の中にしまうことで,それを取り出して使いこなす練習に臨んでほしい。