数学ができる人はいきなり模範解答が書ける?
そんなことはない!
もちろん,前に解いた問題を丸暗記していればいきなり書けるかもしれないけどね。
でも,初めて取り組む問題の解答をいきなり書けるかといえば,基本的にはできない,というより,しない。
なぜなら,数学ができる人は,解答を書くための準備,「構成」が大事だということが分かっているから。
解答の「構成」って何?
簡単に言えば解答の設計図を作ること。
個人的にはここが数学の醍醐味だと思うな。
正直,構成から清書する部分はどうでも良いというか…
ジグソーパズルを完成させるのは楽しいけど,それを額縁に入れることには興味がない,的な。
これがこうなってこうなるからこうなる,っていうスタートとゴールが繋がるのが快感なのよ。
学校で使っている問題集には気をつけて!
みんなが塾に通っていないとすれば,中学では傍用問題集,高校では傍用問題集と参考書,といったものが手元にあると思う。
学校の先生がどういう意図でそれを選んで,どうやって使われているか分からないけど,それらを使って自主的に勉強するときは要注意。
特に高校では中学と比べて圧倒的に問題数が多いから,使い方を間違えると大きな時間ロスになるよ。
この記事では「構成」に着目して問題集選びのコツを少々。
まず,参考書(チャートやフォーカスゴールド等)は自分の進路に合わせて使い方を考えてほしい。
長期休暇の宿題で出されることもあるけど,基本的には普段の授業で使うことはないと思う。
となると,あの分厚い参考書の問題を全て完璧にする必要があるかどうかで迷うわけ。
でもそれって自分の進路によるところが大きいから,とりあえず,進路が決まるまでは,自分のレベルに合ったものが手元にあると良いね。
基本的には学生の平均的な学力に合った参考書を使っているはずだけど,自分のレベルに合ってない,書いてあることが分かりづらいと思ったら迷わず変えよう。
書店に行けばいろんな出版社の参考書が並んでいるから,自分が気に入ったものを買えば良い。
あの分厚い参考書は「網羅系」と呼ばれていて,その名の通り問題が網羅されてる。
数研出版のチャートであれば白,黄,青,赤ってレベル分けされてるけど,普通は出版社ごとにそんなに種類があるもんじゃない。
ということは,掲載されている問題も,難易度の下端と上端が違うだけで,極端に大事な問題が削られていることはないと思ってもらって問題ない。
だから,参考書は例題の解説やポイント等の文章がしっくりくるものを選ぶのが一番ということになる。
構成力を高めるのに必要なのは,この各問の解答以外に書かれた「ポイント」の部分。
なぜこの問題をこう解いたのか,ここをしっかり読んで理解することが,一問一答症候群にならない最善策。
後は,参考書には多い「コラム」も読み物としては最高だと思う。
具体的な使い方としては,
- 授業や宿題で解いた教科書の問題を参考書で探して,理解を深める
- 傍用問題集をやる前に類題を参考書で探して,理解を深める
次に,本編に問題が並んでて,巻末に過程なしの答えだけ載っているような傍用問題集は反復練習用だと思ってほしい。
傍用問題集には別冊で詳しい解答が載ってるものが多いんだけど,なぜか先生は配ってくれないことが多い。
ということは,答えだけで答え合わせをしなきゃいけないんだけど,それはもう解き方が身についてるっていう前提になるよね。
だから,傍用問題集は反復練習。
もし宿題で分からなくてもやらなきゃいけないなら,まずは参考書で類題を探して,しっかりと解き方を理解してから傍用問題集に移ろう。
当然,構成を身につけるには反復練習も必要。
問題文に出てくるキーワードからどういう解答を構成するか,脊髄反射レベルまで高めるには理解と反復は欠かせないよ。