受験と自己実現
残念ながら,学校という集団生活,周りと比較するのが当たり前の環境に慣れていると忘れがちなことがある。
それが,受験も含めた自分の行動のすべてが,今後の自分がどうなるかということに関わってくるということ。
それは,目先の受験合格ではなく,もっと近くて遠い,自分自身の現在と未来の話。
マヒしている人は,自己実現理論における第3段階の欲求を満たすために受験をする。
要は,○○大学に入りたい,将来○○になりたい,という欲求。
これは非常に残念。
夢を持つのは大事だけど,夢を叶えて満足することがそれ以上に大事だと感じてほしいんだ。
義務的に目的もなく受験に臨む人には当てはまらないけど,そうでない人にとって受験というのは一つのチャンスになるはず。
それは,「周りと同じことを同じようにしている自分」から,「自分の力で自分の考えた理想に近づこうとする自分」になるチャンス。
烏合の衆から,一匹狼になるチャンス。
自分の思い描く英雄になるチャンス。
自己実現理論における第4,5段階の欲求を満たすチャンス。
ぜひこのチャンスを活かしてほしい。
なぜ受験をするのか。
もちろん,大学に合格するため,大学で学びたいことがあるから,大学を経て就きたい職業があるからという理由も大事。
だけど,自分がどうなりたいか,という,自分のためだけの問いを常に忘れないでほしい。
自己実現理論を見ると,第4段階までの欲求を満たすためには他人が必要だよね。
自己実現理論において最も高い第5段階に自己実現の欲求があるのは,それが,他人との関わりによって満たされることよりも難しいから。
自分自身の問題より,他人が関わることの方が満たされにくいと思いがちなんだけど,実はそうじゃないんだよ。
他人の思いを排除した状態で今の自分に満足できるかどうか,それが人にとっての最高次の欲求であり,課題であるということ。
なりたい自分になろう。
そう考えられるかどうかが,僕が思う大人と子どもの違いだよ。
まとめ
少し難しい話になってしまったけど,高校生にはぜひ真剣に考えてもらいたい。
自己実現とは何か。
なりたい自分とは何か。
人生は長いようで短い。
自分にとっての最高の欲求が満たされるよう,最高の人生を送ろう。