高校受験のキモは「内申」
高校受験といえば学力検査と思いがちですが,実際にネックになるのは内申です。
都道府県によって違いますが,受験で高校に提出される調査書(内申書)には1年生~3年生の成績が記載されるので,1年生から受験が始まっていると言っても過言ではありません。
『ベネッセ教育総合研究所』(2005)
にもかかわらず,1年生から塾に通っている生徒は少数派。
3年生の成績しか内申書に記載されない都道府県なら大丈夫,と思いがちですが,成績というのはそんなに急に上がりません。
成績は基本的に「定期試験の点数」,「課題の提出状況」,「学習意欲」の3つで決められます。
良くも悪くもこれらのバランスは中学校や先生によって違うのが現状。
さらに成績を上げにくいポイントが2つあります。
1つは「学習意欲」に関する先生の裁量が大きいこと。
試験の点数が良くなっても,それまでの成績や授業態度の印象によって成績が上がらないことがあります。
もう1つは相対評価。
※相対評価:成績の1~5をつける生徒数が決められているので,他の生徒との比較になる
絶対評価:成績の1~5をつける基準が決められているので,他の生徒との比較ではない
公式にはほとんどの自治体が絶対評価であるとしていますが,実際にはまだまだ相対評価が蔓延しています。
単純に,クラス全員が同じ教科で5をとることができないんです。
その中で成績を上げることがどれだけ大変か,おわかりいただけたでしょうか。
内申が出揃った段階で志望校を決めると思いますが,1,2年生の内申は3年生になってからではどうすることもできないのです。
学力は上がってきたのに内申が低いから志望校を下げる,という生徒が毎年多くいるのが現状です。
最初の定期試験が肝心
内申に足を引っ張られず,学力も相応に高めていくためには最初の定期試験が肝心。
ここで結果を出すことで,その後の学校生活における勉強の優先度を子どもが実感できるはずです。
ただ,中学校生活,部活に慣れたかどうかの時期にやってくる定期試験で結果を出すのは容易なことではありません。
当然,試験内容はそこまで難しいものではありませんが,勉強して試験に臨むという経験自体が初めての子どももいるわけですから。
ここで,ほぼ無勉強でそこそこの点数を取るのが一番まずい。
勉強しなくてこれらくいなら,ちょっと勉強すればなんとかなるかな,と考えてしまうからです。
最初の試験だからこそ,全力で挑んで,5教科で最高の結果を出すことが重要です。
そのために塾を活用しましょう。
試験に対して必要な勉強量と計画をしっかりと明示してもらい,それをこなして試験で結果を出す,ということを早いうちに経験できれば,その後の試験もどれだけの努力が必要か分かってくれるはずです。
最初の試験の後にしっかり子どもと話し合い,3年後の高校受験について考え,塾を続けるかどうか自分で判断させましょう。