入塾するタイミングの注意点
保護者の皆さんは,子どもの学力向上や中学受験の対策を目的として塾に通わせたいと思われるかもしれません。
しかし,それでは遅い場合があります。
子どもが苦手意識を持ってから塾に通うと,自分が勉強をできないということを再認識して勉強嫌いが悪化し,塾を監獄のように感じることがあります。
また,中学受験の対策は,それまでの復習,学校の勉強,中学受験対策を並行して学ぶことになります。
例えば,5年生から始めて2年弱,約20ヶ月で合格圏に入るのはかなりシビアなスケジュールになります。
それまでほとんど家で勉強していなかったのに,モチベーションを保ったまま,塾に通い,宿題もこなす生活を続けられるでしょうか。
ですから,子どもが行きたいと言うのであればいつでも構いませんが,保護者の意思で塾に通わせるならなるべく早く,低学年のうちに検討しましょう。
単純に,長い時間をかけて塾の先生と関係を築けるというメリットもありますし。
通塾する回数の注意点
いざ通塾するとなると,週何回通うか決めなければなりません。
集団指導塾ではほぼ決まっていますが,個別指導塾では回数が選べるはずです。
そうなったとき,ぜひ,塾の提案を聞いてみてください。
体験授業,入塾試験,学校の試験結果等を総合的に見て,どれだけ通塾する必要があるかプロが判断してくれたわけですから。
塾側からするとたくさん通ってくれた方が儲かるのは間違いないのですが,結果が伴わなければ退塾となるので,適切な回数を提示してくれるはずです。
また,判断基準の1つに子どもの自学力(自習で学力を伸ばす力)があるのですが,この判断は講師でないとなかなか難しいです。
例えば,自学力が高ければ,週2回,算数,国語の授業を受け,宿題をこなすことで効率よく学力が上がります。
しかし,自学力が低いと,自学力を伸ばす訓練から始めなければなりませんし,最初は週3回,算数の授業を受ける必要がある,ということになります。
自学力は高校受験にも大きく関わってくるので,宿題の量や質だけでなく,適切な自習の仕方まで指導してくれる塾が理想ですね。
ということで,通塾の回数と学力の向上は単純に比例しないので注意が必要です。
目安は,定期試験対策なら1教科週2回で結果が出ると考えてください。
入塾する時期のまとめ
基本は,なるべく早く子どもを塾に通わせ,子どもにとって勉強することが当たり前の状況を作りましょう。
一番は子どもとよく話すこと,保護者の意思で進路を決めるなら2年生まで,です。
以下はあくまで目安です。
A:子どもが2年生以下の場合
入塾を即検討。
英会話教室でもいいので,子どもが笑顔で勉強できる環境を作りましょう。
中学受験をさせるのであれば,並行して低学年から面倒を見てくれる塾を探しましょう。
B:子どもが5年生以上の場合
本人に意思を確認しましょう。
もっと勉強ができるようになりたい,中学受験をしたい,中学受験は嫌だけど中学の内容の先取りをしたい等の意見が聞ければ入塾を検討しましょう。
将来についても理解できる年齢なので,選択肢をしっかり示し,保護者の方の思いも伝えてあげてください。
C:子どもが3,4年生の場合
見極めが非常に難しい年頃なので,子どもをよく観察し,話しましょう。
勉強について本当に何も考えていないようならA,すでに勉強についての考えを持っているならBのような対応をしましょう。