不等式の性質
【定理】
- $A<B$,$B<C$ ならば $A<C$
- $A<B$ ならば $A+C<B+C$,$A-C<B-C$
- $A<B$,$C>0$ ならば $AC<BC$,$\frac{A}{C} < \frac{B}{C}$
- $A<B$,$C<0$ ならば $AC>BC$,$\frac{A}{C} > \frac{B}{C}$
※不等式では,両辺に同じ負の数を掛けたり,割ったりすると,不等号の向きが変わる。
不等式と式の値の範囲
$k<x<l$,$m<y<n$ ならば
$k+m<x+y<l+n$,$k-n<x-y<l-m$
不等式の解法
1次不等式
【定義】
1次不等式:不等式のすべての項を左辺に移項して整理したとき,左辺が $x$ の1次式になる不等式
不等式の解:$x$ についての不等式において,不等式を満たす $x$ の値
不等式を解く:不等式のすべての解を求めること
1次不等式の解法
- $x$ を含む項を左辺に,定数項を右辺に移項して,$ax>b$,$ax \leqq b$ などの形に整理する。
- $x$ の係数 $a$ で両辺を割る。
例)
$ax>b$ の解は,$a>0$ のとき $x> \frac{b}{a}$,$a<0$ のとき $x< \frac{b}{a}$
連立不等式
【定義】
連立不等式:いくつかの不等式を組み合わせたもの
連立不等式の解:$x$ についての連立不等式において,すべての不等式を同時に満たす $x$ の値
連立不等式を解く:連立不等式の解を求めること
連立不等式の解法
- それぞれの不等式を解く。
- それらの解の共通範囲を求める。
※このとき,数直線を用いるとわかりやすい。
絶対値を含む方程式,不等式
$c>0$ のとき
方程式 $|x|=c$ を満たす $x$ の値は $x= \pm c$
不等式 $|x|<c$ を満たす $x$ の値の範囲は $-c<x<c$
不等式 $|x|>c$ を満たす $x$ の値の範囲は $x<-c$,$c<x$
※「$x<-c$,$c<x$」は,$x<-c$ と $c<x$ を合わせた範囲を表す。