命題とその真偽
命題とは,正しいか正しくないかが明確に決まる文や式のことであり,命題が正しいとき,その命題は真であるといい,命題が正しくないとき,その命題は偽であるという。
逆・裏・対偶
命題「$p$ ならば $q$ である」に対して,
逆: $q$ ならば $p$ である。
裏: $p$ でないならば $q$ でない。
対偶: $q$ でないならば $p$ でない。
対偶命題と真偽
命題「 $p \Longrightarrow q$ 」とその対偶「 $\overline{q} \Longrightarrow \overline{p}$ 」の真偽は一致する。
証明
全体集合を $U$ とし,条件 $p$ をみたす要素の集合を $P$ ,条件 $q$ をみたす要素の集合を $Q$ とすると,「 $p \Longrightarrow q$ 」が真であるのは $P \subset Q$ のときだけである〈図1〉。
(集合) $P$の補集合 $\overline{P}$ は〈図2〉のようになり,(集合) $Q$ の補集合 $\overline{Q}$ は〈図3〉のようになる。
このとき, $\overline{Q}$ は $\overline{P}$ に含まれ,
「 $\overline{q} \Longrightarrow \overline{p}$ 」
も真となる。
したがって,命題「 $p \Longrightarrow q$ 」が真であれば,その対偶「 $\overline{q} \Longrightarrow \overline{p}$ も真であり,命題「$p \Longrightarrow q$ 」が偽であれば,その対偶「 $\overline{q} \Longrightarrow \overline{p}$ 」も偽である。
注:「 $p \Longrightarrow q$ 」という命題の真偽判定の方法
(i)条件 $p$ をみたすすべてのものが条件 $q$ をみたすとき,命題「 $p \Longrightarrow q$ 」は真であると判断する。
(ii)条件 $p$ をみたすものの中で,条件 $q$ をみたさないもの(これを反例という)が存在するとき,命題「 $p \Longrightarrow q$ 」は偽であると判断する。
(「 $p \Longrightarrow q$ 」が偽であることをいうためには反例を1つ示せばよい)