【しくじり先生】中田塾:ピタゴラスのしくじりから学ぶ「勉強する理由」【しくじり偉人伝】

奇跡を起こし始める

大人気のピタゴラスは軌跡を起こし始めます。

①予言

港で大衆が帰ってきた船を迎えているとき,通りがかったピタゴラスが「あの船は死体を積んであなた方の前に現れる」と予言し,実際に死体が入っていた。

②瞬間移動ができた

メガレ・ヘラスとメタポンティオンという遠く離れた場所で同時に目撃されていた。

③神様に挨拶をされた

川沿いを下っていたピタゴラスに対して「ごきげんよう!ピタゴラス」という声がかえられた。

④太ももが金でできていた

ピタゴラスの太ももが金でできていたのを目撃された。

 

これだけのエピソードが残っているのですが,話を盛るというか,2500年前の悪いところが出ちゃったと思われそうですが,もし嘘じゃなかったらどういうこと?と考えると…

①医学

実は,強烈な感染症の症状が出ていたのを見かけ,死んでいてもおかしくないと診断した。

②建築学

もともと複数の町に邸宅をもっていたのですが,自分が建築のデザインをしたので,実は,隠し通路や裏出口があって人目につかず家を出入りすることができた。

推理小説のアリバイトリックに似ていますが,数学は建築の基礎でもあります。

③音響学,音楽

実は,音の反響を大きくする立地条件を知っていて,山彦を利用した。

日本でも山「彦」と言われるように,彦は男,一つの人格のように捉えられ,山には神様が宿っているという考え方がありました。

雷も神の怒りとして恐れられていた。

④化学

実は,金の装飾だった。

金箔,金粉当たり前のエジプトで,ピタゴラスはピラミッドの中に入れた人はごく一部の人間のうちの一人でした。

 

というようにトリックを暴くと,軌跡の正体は「科学」であり,旅の真の目的は「学んだ知識で奇跡を見せること」だったと考えられます。

60歳でピタゴラス教団を設立

人気も絶頂になった頃,弟子を志願する者も増え続け,ついにピタゴラスは「ピタゴラス教団」を設立します。

 

教え:この世はきれいな数字で表すことができる

きれいな数字とは整数のことで,小数であっても「0.1=1/10」というように分数にすればキレイな文字で表せるというもの。

この図形も,1,2,3,4と並べると,全部足して10というとてもキレイな法則が現れます。

このように,数学的にこの世は美しいのだと,数学的な美しい図形,数の概念を見せました。

 

信条:恋愛禁止,肉食禁止,生物は生まれ変わる

これは仏教に似ています。

お坊さんも恋愛禁止,俗世を断つ,肉は食べられない,輪廻転生(ヨーロッパとは違う)。

つまり,ピタゴラス教団はエジプトの最新の数学と,アジアの宗教混ぜ合わせたものでした。

 

しかし,仏教とは違う,「豆には近づくな!」という禁止事項もありました。

これだけ聞くと意味が分かりませんが,豆の形がハデスの門(地獄の門)に似ていたため,不吉なものとされていたのです。

 

厳しい入団検査

ピタゴラス教団に入団するにはとても厳しい審査がありました。

  • 秘密を守ることができるか
  • 欲望を抑え冷静に対応できるか
  • 負けず嫌いで名誉欲が強くはないか
  • 争うのが好きではないか
  • 友情に厚いか
  • 話を早く正確に理解できるか
  • 学習に喜びを感じられるか

これだけでなく,もっと人材を厳選しようと,5年の研修期間と,授業態度の査定と面接もありました。

元々信者は300人と決められており,この狭き門をくぐり抜けた,厳選された300人はまさに「スーパー300人」。

可能性を感じざるを得ません。

 

スケジュール

  • 朝:一人で散歩,仲間と教えを学ぶ
  • 昼:オリーブオイルをすり込んで走る,庭でレスリングをする,数学・音楽・哲学・医学を研究
  • 夜:友人たちと散歩,入浴してから共同で食事

「ピタゴラスの定理」誕生

このようなスーパー300人が厳しい戒律の元,日々研究に勤しみ,ついにできたのが「ピタゴラスの定理」。

正しくは「ピタゴラス教団の定理」。

名声は絶頂に至りました。

がしかし,この定理が教団を追い詰めていくのです。

矛盾と乱心と死

この世はきれいな数字でできている!

整数,分数がすべて!

気持ち悪いぐちゃぐちゃな数なんて現れない!

というのが教団の教えでしたが…

1辺の長さが1の正方形の対角線の長さは,ピタゴラスの定理によると,

となり,2乗すると2になる数は分数で表せない…

綺麗じゃない数が存在した!

ピタゴラスが行っていた世界が嘘だった!

と,教団に激震が走ります。

今で言えば√2(ルート2)という当たり前の結果なのですが,教団の教えが根本から覆されたのですから,それはもう一大事。

ここからピタゴラスが考えを変えるかと思いきや…√2の存在を教団最大の秘密にしたのです!

当然信者はざわつきます。

教えが,世界が否定されただけでなく,信じていたピタゴラスがそれを秘密にするという暴挙!

しかも!ざわついている最中に,恋愛禁止のはずがピタゴラスは弟子の女性と結婚!

権力が絶頂に至っていて誰も文句が言えない状態で,抱え込んでいた信者の欲望が爆発…事件が起きます…

ある日,信者の1人が施設を脱走し,「√2あるよー!」と騒ぎ立てた結果,その信者は溺死体として発見されるのです…

弟子を手にかけてしまったピタゴラスは,平然と「299人になったのでもう1人採用します」と言ったとか言わなかったとか。

異を唱えたら殺される」と,さらなる極限状態が続いた結果,教祖様の家に火が放たれたのです。

ピタゴラスは必死で逃げました

信者VS教祖

この畑を抜ければ逃げ切れると思ってたどり着いたのが…

豆畑でした。

そう,禁止事項とされていたです。

ピタゴラスは近づいてはいけないと悩んで止まってしまい,結果,追手に喉を切られて死を遂げたのです。

まさに地獄の門。

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