偉人ピタゴラスの光と影 ~万能の天才はなぜ教祖になったのか?~
幼少期
幼少のころから頭は良く,勉強もできて楽器も弾けて空を見て星の研究をする子どもでした。
18歳
若い頃から政治に関わっていました。
この頃の親友,パートナーだったのはポリュクラテス(紀元前570年頃~522年)。
18歳という大人になりたての状態で乗り込んだのでさっそくしくじるかと思いきや,政治改革に成功します!
しかし,ここで人生で初めての挫折を味わうのです…
それが仲間割れ。
トップに立ったら必ず敵が出てきて,それが味方だったりします。
ポリュクラテスは独裁者になると予見していたピタゴラスですが,実際にポリュクラテス3兄弟がサモス島を牛耳り始めたのです。
ギリシャを出て放浪生活
仲間割れをしたピタゴラスは放浪の旅に出ます。
その期間,なんと20年!
傷心旅行ではなく,学問を学ぶための旅だからこれだけ続けられたのです。
■エジプト
目的:エジプト言語を習得し,幾何学を学ぶ
エジプトは当時,ピラミッドを建てるような先進国でした。
最初,ピタゴラスは異国の者だからと相手にされませんでしたが,熱心に勉強し,教えてくださいと頼み込み,課題をクリアし続けたことでやっと認められ,エジプトの神殿の奥地で秘儀を学ぶことができました。
※秘儀:特別な資格を持つものでないと学ぶことができない秘密の学問
■バビロニア
目的:天文学を学ぶ
■ペルシア
目的:神々の祭儀を学ぶ
サモス島に戻る
ピタゴラスは放浪の旅を終え,20年ぶりにサモス島に戻ったのですが…
ポリュクラテスは兄弟2人を追放し,単独で独裁者になり,海軍を増強させ周囲の国々を侵略し,ギリシャに悪名をはせるというよりヤバい状態になっていました。
故郷に戻れずイタリアのクロトンへ
故郷に戻れなかったピタゴラスはイタリアのクロトンへ行き,ここで才能を開花させます。
ピタゴラスのことは「ギリシャから頭のいいやつが来るらしいぜ」と街中の噂になっていたのですが,集まった2000人の前で演説をし,聴衆を虜にしたのです。
20年間ネタを集め続けたようなものですし,元々政治家として成功するくらい演説力があるので,しゃべりが面白い!
実際の記録とエピソードもあります。
- 演説の直後に観客がピタゴラス専用ステージを建設!
- 話を聞くのが楽しみすぎてステージの近くに住む人が現れた!
- 住む人が増えて街ができた!
この街の名前が「メガレ・ヘラス」。
別名「大ギリシャ」といい,当時のギリシャ本土より栄えるという,中国より栄えているチャイナタウン状態!
周りの都市の権力者もアドバイスを聞きに来て,ピタゴラスのアドバイスが国の法律になることさえありました。
しかし,ピタゴラスは二度と政治家にはなろうとしなかったのです。