【定義・定理・公式】高校数学基本事項 – 数学B – 確率変数の和と積,二項分布

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同時分布

【定義】

同時分布

ある試行によって $X$,$Y$ の値が定まるとき,$X=a$ かつ $Y=b$ である確率を $P(X=a,Y=b)$ と表す。

ある試行によって $X$,$Y$,$Z$ の値が定まるとき,$X=a$ かつ $Y=b$ かつ $Z=c$ である確率を $P(X=a,Y=b,Z=c)$ と表す。

2つの確率変数 $X$,$Y$ について,$X$ のとる値が $x_1,x_2,……,x_n$,$Y$ のとる値が $y_1,y_2,……,y_m$ のとき,$P(X=x_i,Y=y_j)=p_ij$ とおくと,$X$,$Y$ の確率分布は下図のように表され,この対応を $X$,$Y$ の同時分布という。

$\begin{array}{|c|cccc|c|}\hline&y_1&y_2&\cdots\cdots&y_m&計\\\hline x_1&p_{11}&p_{12}&\cdots\cdots&p_{1m}&p_1\\x_2&p_{21}&p_{22}&\cdots\cdots&p_{2m}&p_2\\\vdots&\vdots&\vdots&\cdots\cdots&\vdots&\vdots\\\vdots&\vdots&\vdots&\cdots\cdots&\vdots&\vdots\\x_n&p_{n1}&p_{n2}&\cdots\cdots&p_{nm}&p_n\\\hline 計&q_1&q_2&\cdots\cdots&q_m&1\\\hline\end{array}$

 

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確率変数の独立・従属

【定義】

独立

2つの変数 $X$,$Y$ があって,$X$ のとる値 $a$ と,$Y$ のとる値 $b$ に対して,

$P(X=a,Y=b)=P(X=a)P(Y=b)$

が $a$,$b$ のとり方に関係なく常に成り立つとき,確率変数 $X$,$Y$ は互いに独立であるという。

※3つ以上の確率変数が互いに独立であることも同様に定義される。

従属

2つの事象 $A$,$B$ が独立でないとき,$A$ と $B$ は従属であるという。

※3つ以上の確率変数が従属であることも同様に定義される。

 

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事象の独立・従属

2つの事象 $A$ と $B$ が互いに独立
$\Leftrightarrow$ $P_A(B)=P(B)$
$\Leftrightarrow$ $P_B(A)=P(A)$
$\Leftrightarrow$ $P(A\cap B)=P(A)P(B)$

 

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期待値・分散の性質

【定理】

期待値の性質

  • $E(X+Y)=E(X)+E(Y)$
  • $E(aX+bY)=aE(X)+bE(Y)$ ($a$,$b$ は定数)
  • 2つの確率変数 $X$,$Y$ が互いに独立であるとき $E(XY)=E(X)E(Y)$

※3つ以上の確率変数の和の期待値についても同様の等式が成り立つ。

分散の性質

2つの確率変数 $X$,$Y$ が互いに独立であるとき

  • $V(X+Y)=V(X)+V(Y)$
  • $V(aX+bY)=a^2V(X)+b^2V(Y)$ ($a$,$b$ は定数)

※互いに独立な3つ以上の確率変数の和の分散についても同様の等式が成り立つ。

 

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二項分布

1回の試行で事象 $A$ の怒る確率を $p$ とすると,この試行を $n$ 回行う反復試行において,$A$ がちょうど $r$ 回起こる確率は

${}_n\mathrm{C}_rp^rq^{n-r}$ (ただし $q=1-p$ )

【定義】

二項分布

$n$ 回の反復試行において,事象 $A$ の起こる回数を $X$ とすると,$X$ は確率変数で,その確率分布を二項分布といい,$\boldsymbol{B(n,p)}$ で表す。また,確率変数 $X$ は二項分布 $B(n,p)$ に従うという。

【定理】

確率変数 $X$ が二項分布 $B(n,p)$ に従うときの期待値・分散・標準偏差

確率変数 $X$ が二項分布 $B(n,p)$ に従うとき,$q=1-p$ とすると

  • 期待値:$E(X)=np$
  • 分散:$V(X)=npq$
  • 標準偏差:$\sigma(X)=\sqrt{npq}$
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