【定義・定理・公式】高校数学基本事項 – 数学Ⅱ – 剰余の定理と因数定理

以下,$x$ の整式を $P(x)$,$Q(x)$ などと書き,$x$ に数 $k$ を代入したときの $P(x)$ の値を $P(k)$ と書く。

例)

整式 $P(x)$ を整式 $A$ で割ったときの商を $Q(x)$,余りを $R(x)$ とすると $P(x)=A Q(x)+R(x)$ が成り立つ。

 

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剰余の定理・因数定理

【定理】

剰余の定理

整式 $P(x)$ を1次式 $x-k$ で割ったときの余りは $P(k)$

※整式 $P(x)$ を1次式 $ax+b$ で割ったときの余りは $P(- \frac{b}{a})$

因数定理

1次式 $x-k$ が整式 $P(x)$ の因数である $\Leftrightarrow$ $P(k)=0$

※1次式 $ax+b$ が整式 $P(x)$ の因数である $\Leftrightarrow$ $P(- \frac{b}{a})=0$

 

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組立除法

組立除法は整式 $P(x)$ を1次式 $x-k$ で割ったときの商 $Q(x)$,余り $R$ を求める簡便法である。

$P(x)=ax^3+bx^2+cx+d$ を $x-k$ で割るとき

$\begin{array}{ccccc} a & b & c & d & | \underline{k} \\ & ak & mk & nk & \\ \hline a & m & n & R & \\ \end{array}$

として,商 $Q(x)=ax^2+mx+n$ と $R$ を求める。

例)

$(x^3-10x+2) \div (x+2)$ の商と余りを求める。

$\begin{array}{ccccc} 1 & 0 & -10 & 2 & | \underline{-2} \\ & -2 & 4 & 12 & \\ \hline 1 & -2 & -6 & 14 & \\ \end{array}$

  1. 1行目に割られる式の係数 $1$,$0$,$-10$,$2$ と割る式 $x+2=x-(-2)$ の $-2$ を書く。
  2. 3行目の一番左に,1行目の一番左の $1$ を下ろす。
  3. 下ろした $1$ と右上の $-2$ の積 $-2$ を2行目の2列目に書く。
  4. 1,2行目の2列目を縦に足し,和 $0+(-2)=-2$ を3行目の2列目に書く。
  5. 同様に,今書いた $-2$ と右上の $-2$ の積 $4$ を2行目の3列目に書く。
  6. 1,2行目の3列目を縦に足し,和 $-10+4=-6$ を3行目の3列目に書く。
  7. 同様に,今書いた $-6$ と右上の $-2$ の積 $12$ を2行目の4列目に書く。
  8. 1,2行目の4列目を縦に足し,和 $2+12=14$ を3行目の4列目に書く。
  9. 結果,商が $x^2-2x-6$,余りが $14$ となる。

※ $(8x^3-2x^2-7x+6) \div (4x-3)$ のように割る式の1次の項の係数が1でない場合,$(8x^3-2x^2-7x+6) \div (x- \frac{3}{4}) \div 4$ と変形し,$(8x^3-2x^2-7x+6) \div (x- \frac{3}{4})$ を先に行い,最後に $Q(x) \div 4$ を行う。ただし,余りは最初に求めたものである。

$\begin{array}{rcl} 8x^3-2x^2-7x+6 & = & (4x-3)Q(x)+R \\ & = & (x- \frac{3}{4}) \cdot 4Q(x)+R \\ \end{array}$

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