【定義・定理・公式】高校数学基本事項 – 数学Ⅰ – 【補足】因数分解の手順

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因数分解の手順の見つけ方

どんな因数分解でも,その手順はいくつかのパターンに分類することができるため,単純に感覚に頼って行うのではなく,手順に沿って,確実に行うことが必要である。

 

1.共通因数でくくる(重要)

すべての項に共通な因数があればくくり出す。

共通因数をくくっていない状態でも因数分解を進めることができるため,見落としがちである。

 

2.公式の適用・たすき掛け

公式を適用する,または,たすき掛けを行う。

 

3.文字置き

明らかに同じ形がある,または,作れそうであれば整式を部分的に因数分解し,他の文字に置き換える。

その後,公式を適用する,または,たすき掛けを行い,最後に置き換えた文字を元に戻す。

 

4.複2次式

次数が2の倍数のみ(複2次式)の場合,平方の差を作り,和と差の積で因数分解する。

 

5.展開

与式が最初から部分的に因数分解されている場合,文字置きを検討するが,できない場合は一度すべて展開し,手順の最初に戻る。

 

6.最低次数の文字に着目して降べきの順に整理する

1~5に当てはまらず,2元以上や項数が多い場合はこの方針をとる。

整理した後,着目した文字の係数や定数項を部分的に因数分解し,文字を含んだ状態で因数分解公式の適用・たすき掛けを行う。

 

7.これ以上因数分解できる部分がないか確認する(最重要)

因数分解は問題によって範囲が指定されている場合があり,そこに到達していない場合は誤答となる。

通常は有理数の範囲であるが,実数の範囲,複素数の範囲の場合は,$(与式)=0$ と方程式を作り,解くことによってさらに因数分解を進める必要がある。

例)

$x^4-25$ の場合

$(x^2+5)(x^2-5)$ :有理数の範囲

$(x^2+5)(x+ \sqrt{5})(x- \sqrt{5})$ :実数の範囲( $\sqrt{}$ の使用)

$(x+ \sqrt{5})(x- \sqrt{5})(x+ \sqrt{5}i)(x- \sqrt{5}i)$ :複素数の範囲(虚数単位 $i$ の使用)

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