恒等式の定義
【定義】
恒等式:含まれている各文字にどのような値を代入しても,その両辺の式の値が存在する限り,等号が常に成り立つ等式
恒等式の性質
【定理】
恒等式の性質
$P$,$Q$ が $x$ についての整式であるとき
$P=0$ が恒等式 $\Leftrightarrow$ $P$ の各項の係数は全て0
$P=Q$ が恒等式 $\Leftrightarrow$ $P$ と $Q$ の次数は等しく,両辺の同じ次数の項の係数はそれぞれ等しい。
$P$,$Q$ が $x$ についての $n$ 次以下の整式であるとき
等式 $P=Q$ が $(n+1)$ 個の異なる $x$ の値に対して成り立つ $\Leftrightarrow$ 等式 $P=Q$ は $x$ についての恒等式
未定係数法
恒等式の未知の係数(未定係数)を求めるには,恒等式の性質を利用した2通りの方法がある。
- 係数比較法:両辺の同じ次数の項の係数がそれぞれ等しい。
- 数値代入法:両辺に適当な数字をいくつか代入して,連立方程式などを解く。数値代入法を用いた場合,逆の確認が必要となる。