ユークリッドの互除法
割り算と最大公約数
自然数 $a$,$b$ について,$a$ を $b$ で割ったときの余りを $r$ とすると,$a$ と $b$ の最大公約数は,$b$ と $r$ の最大公約数に等しい。
ユークリッドの互除法
整数 $a$,$b$ の最大公約数を求めるには,次の手順を繰り返せば良い。この方法をユークリッドの互除法,または,単に互除法という。
- $a$ を $b$ で割ったときの余りを $r$ とする。
- $r=0$ ならば,$b$ が $a$ と $b$ の最大公約数である。
$r>0$ ならば,$a$ を $b$ で,$b$ を $r$ でおきかえて,1に戻る。
この手順を繰り返すと,余り $r$ が小さくなり,$r$ が0になって必ず終了する。
1次不定方程式
【定理】
互いに素である整数の性質
2つの整数 $a$,$b$ が互いに素であるとき,整数 $c$ について $ax+by=c$ を満たす整数 $x$,$y$ が存在する。
【定義】
$a$,$b$,$c$ は整数の定数で,$a \neq 0$,$b \neq 0$ とする。$x$,$y$ の1次方程式 $ax+by=c$ を成り立たせる整数 $x$,$y$ の組を,この方程式の整数解という。この方程式の整数解を求めることを,1次不定方程式を解くという。
※2つの整数 $a$,$b$ が互いに素であるとき,方程式 $ax+by=c$ の整数解の1つを $x=p$,$y=q$ とすると,全ての整数解は $x=bk+p$,$y=-ak+q$ ( $k$ は整数) と表される。
分数と小数
【定義】
有限小数:小数第何位かで終わる小数
無限小数:小数部分が無限に続く小数
循環小数:無限小数のうち,ある位以下では数字の同じ並びが繰り返される小数
既約分数:分母と分子が整数で,分母と分子が互いに素である分数
※ $m$ を整数,$n$ を自然数とすると,分数 $\frac{m}{n}$ は整数,有限小数,循環小数のいずれかで表される。
※整数でない既約分数 $\frac{m}{n}$ について次のことが成り立つ。
分母 $n$ の素因数は2,5だけからなる $\Leftrightarrow$ $\frac{m}{n}$ は有限小数で表される
分母 $n$ の素因数に2,5以外のものがある $\Leftrightarrow$ $\frac{m}{n}$ は循環小数で表される
$n$ 進法
【定義】
底:位取りの基礎となる数
$\boldsymbol{n}$ 進法:底を $n$ として数を表す記数法( $n$ は2以上の整数)
$\boldsymbol{n}$ 進数:$n$ 進法で表された数
※$n$ 進数では,その数の右下に${}_{(n)}$ と書く。(10進数は省略する)
※$n$ 進数の各位の数字は0以上 $n-1$ 以下の整数。
$n$ 進法の位
……,$n^3$ の位,$n^2$ の位,$n^1$ の位,$n^0$,$\frac{1}{n^1}$ の位,$\frac{1}{n^2}$ の位,$\frac{1}{n^3}$ の位,……
2進法の四則計算
2進法の四則計算では,次の計算が基本となる。
- 足し算:$0+0=0$,$0+1=1$,$1+0=1$,$1+1=10$
- 引き算:$0-0=0$,$1-0=1$,$1-1=0$,$10-1=1$
- 掛け算:$0 \times 0=0$,$0 \times 1=0$,$1 \times 0=0$,$1 \times 1=1$
2進法の割り算は,10進法の割り算と同様に,掛け算と引き算を組み合わせて行う。