関数
【定義】
2つの変数 $x$,$y$ の間にある関係があって,$x$ の値を定めるとそれに対応して $y$ の値がただ1つ定まるとき,$y$ は $x$ の関数であるという。
※$y$ が $x$ の関数であることを,文字 $f$ などを用いて $y=f(x)$ と表す。
※$x$ の関数を,単に関数 $\boldsymbol{y=f(x)}$ ともいう。
※関数 $y=f(x)$ において,$x=a$ のときの $y$ の値は $\boldsymbol{f(a)}$ で表される。
定義域:関数 $y=f(x)$ において,変数 $x$ のとりうる値の範囲( $x$ の変域)
値域:$x$ が定義域全体を動くとき,$f(x)$ がとる値の範囲( $y$ の変域)
最大値:関数 $y=f(x)$ の値域の最大の値
最小値:関数 $y=f(x)$ の値域の最小の値
関数のグラフ
【定義】
座標:平面上に座標軸を定めたとき,平面上の点 $P$ の位置を表した2つの実数の組 $(a,b)$
座標平面:座標軸の定められた平面
第1象限:点 $(a,b)$ の $x$ 座標 $a$ と $y$ 座標 $b$ の符号が $(+,+)$ の部分
第2象限:点 $(a,b)$ の $x$ 座標 $a$ と $y$ 座標 $b$ の符号が $(+,-)$ の部分
第3象限:点 $(a,b)$ の $x$ 座標 $a$ と $y$ 座標 $b$ の符号が $(-,-)$ の部分
第4象限:点 $(a,b)$ の $x$ 座標 $a$ と $y$ 座標 $b$ の符号が $(-,+)$ の部分
※座標軸上の点はどの象限にも属さない。
※点 $(a,b)$ が関数 $y=f(x)$ のグラフ上にある $\Leftrightarrow$ $b=f(a)$
関数のグラフ
定数関数 $y=a$ のグラフ
傾きが0,$y$ 切片が $a$ の,$x$ 軸に平行な直線。
※$x=a$ は点 $(p,0)$ を通り,$y$ 軸に平行な直線であるが,関数の定義に当てはまらないため関数ではない
1次関数 $y=ax+b$ ( $a \neq 0$ )のグラフ
傾きが $a$,$y$ 切片が $b$ の直線。
※$a>0$ のとき右上がり,$a<0$ のとき右下がりになる。
※$y=ax+b$ を直線の方程式という。
2次関数
【定義】
2次関数:$y$ が $x$ の2次式で表される関数
※2次関数の一般形:$y=ax^2+bx+c$ ( $a$,$b$,$c$ は定数,$a \neq 0$ )
※$y=ax^2+bx+c$ を放物線の方程式という。
軸:放物線の対称軸
※軸は直線であり,$x=p$ の形で表される。
頂点:放物線と軸の交点
2次関数のグラフ
2次関数 $y=ax^2$ のグラフ
軸が $y$ 軸,頂点が原点の放物線。
※$a>0$ のとき下に凸,$a<0$ のとき上に凸になる。
2次関数 $y=a(x-p)^2+q$ のグラフ
軸が $x=p$,頂点が点 $(p,q)$ の放物線。
※$y=ax^2$ のグラフを $x$ 軸方向に $p$,$y$ 軸方向に $q$ だけ平行移動したもの。
※$y=a(x-p)^2+q$ を2次関数の標準形という。
2次関数 $y=ax^2+bx+c$
軸が $x=- \frac{b}{2a}$,頂点が点 $\left( – \frac{b}{2a} ,- \frac{b^2-4ac}{4a} \right)$ の放物線。
※$y=ax^2+bx+c$ を2次関数の一般形といい,一般形を標準形に変形することを平方完成という。
$y=ax^2+bx+c$ $\Leftrightarrow$ $y=a \left( x+ \frac{b}{2a} \right)^2- \frac{b^2-4ac}{4a}$
グラフの平行移動
$x$ 軸方向に $p$,$y$ 軸方向に $q$ だけ平行移動すると
点:$(a,b)$ $\to$ $(a+p,b+q)$
グラフ:$y=f(x)$ $\to$ $y-q=f(x-p)$
※一般に,関数・方程式のグラフを平行移動する場合,$x$ に $x-p$,$y$ に $y-q$ を代入する。
$x$ 軸,$y$ 軸,原点に関して対称移動すると
$x$ 軸
点:$(a,b)$ $\to$ $(a,-b)$
グラフ:$y=f(x)$ $\to$ $-y=f(x)$
$y$ 軸
点:$(a,b)$ $\to$ $(-a,b)$
グラフ:$y=f(x)$ $\to$ $y=f(-x)$
原点
点:$(a,b)$ $\to$ $(-a,-b)$
グラフ:$y=f(x)$ $\to$ $-y=f(-x)$
※一般に,関数・方程式のグラフを $x$ 軸に関して対称移動する場合,$y$ に $-y$ を,$y$ 軸に関して対称移動する場合,$x$ に $-x$ を,原点に関して対称移動する場合,$x$,$y$ にそれぞれ $-x$,$-y$ を代入する。