このサイトでは学習に関する書籍をまとめて学習参考書と呼んでいるんだけど,学習参考書にもいくつか種類がある。
それぞれの概要と,目安として,教科書を基準とした講義の有無,問題数,問題の解説の有無,類題数,類題の解説の有無を記載しておくね。
※紛らわしい用語(このサイト限定の定義)
- 解答:問題の答え
- 解説:なぜそのような考え方,解答になるかの説明
- 演習:例題を理解し,問題を解くこと
- 練習:演習した問題の類題を解くこと
教科書
学校で使っている教科書。
※厳密には「教科書」と「教科用図書」は別物なんだけど,このサイトでは「教科用図書」も「教科書」と呼ぶ。
意外とおざなりにされがちだけど,授業で使うということは一番最初にみんなが触れるものだから基本中の基本だと思ってほしい。
だいたい,講義,例,問,例題,問題,章末問題のような構成になっていて,解説があるのは例題だけかな。
基本を抑えるのに必須ではあるんだけど,問題の解説がないから練習には不向き。
講義:○ 問題数:○ 解説:○ 類題数:○ 類題解説:✕
講義書
教科書代わりに使える講義形式のもの。
学校の授業が理解できない,教科書の意味がわからない,そもそも履修していない,というときに1から学ぶことができる。
教科書と合わせて全ての基本となるものだから,先生を選ぶのと同じくらい一番慎重に選ばなきゃいけないし,複数の講義書を併用するのは混乱するからやめた方が良い。
講義,例題,問題という構成が多く,話し言葉で書かれていたり物語風だったり様式はいろいろなんだけど,基本的には教科書と同じ使い方になる。
勉強する際には必ず手元に置いておいて,分からなくなったら確認するために使おう。
講義:◎ 問題数:○ 解説:◎ 類題数:△ 類題解説:△
参考書
数研出版のチャートや啓林館のフォーカスゴールドのような分厚いやつ。
網羅系とも呼ばれるくらいの問題の多さと詳しい解説が特徴で,数学における辞書のようなもの。
地味にレベル分けがされているんだけど,値段が値段だから買い替えるのも気が引けるよね。
とりあえずは学校で配られたものを使えばいいけど,志望校を決めたらそれに合わせた1冊を手に入れよう。
長期休暇の宿題として出されることが多いから進度に合わせて進められればベストだけど,日々の授業で傍用問題集を宿題にされているとかなり辛いよね…
基本事項,問題,例題,章末問題という構成が多く,類題が少ないので演習にはいいけど練習には向かないね。
講義:✕ 問題数:◎ 解説:◎ 類題数:△ 類題解説:△
傍用問題集
学校で配られることが多いひたすら問題が掲載されているもので,解説は通常別冊になっている。
学校採用専用書籍が多く,欲しくても書店では売っていないからAmazon等で非正規に手に入れるしかないんだけど,学校の先生に頼めばもしかしたら…
末尾に略解はあるんだけど,別冊の解答がなければ正直使い物にならない。
問題数が多いから,演習後の練習としてはありかな。
講義:✕ 問題数:◎ 解説:✕ or ○ 類題数:◎ 類題解説:✕ or ○
問題集
河合塾のプラチカや旺文社の精講シリーズのように,問題がテーマに沿って集められたもの。
網羅系参考書の一部を抜き出したようなものや,センター試験や受験校等に合わせたものまで多種多様。
これこそ学校で使ってほしいのに学校の先生は好かない。
(目的別に選ぶものだから一律に配って意味がない,ということだろう)
受験期になると,演習系の授業で使われることはあるかな。
教科書と入試を繋いでくれるとても重要なものなので,目標に合わせて正しく選ぶ必要がある。
例題はあったりなかったりで,問題,解答,解説という構成がほとんど。
基本的には演習用なんだけど,似たような問題集を買って類題を実践として解くのもありかな。
講義:✕ 問題数:○ 解説:◎ 類題数:△ 類題解説:◎
実践問題集
本番に近いテスト形式のもの。
問題集の一種ではあるんだけど,使い方が違うから別にしてある。
実際にはセンター試験専用のものがほとんどなんだけどね。
構成は問題と解答,解説のみ。
実力を測るには実践問題集を使って初見の問題に取り組む以外ない。
講義:✕ 問題数:○ 解説:○ 類題数:✕ 類題解説:✕
過去問
過去に実施された大学入試の問題を集めたもの。
学習参考書とは言いづらいんだけど,受験勉強には必須。
基本的には問題と解答という構成で,赤本のように傾向と対策が載っていることが多いね。
ただ,過去問は無料配布しているWebサイトも多いから志望校が確定するまではわざわざ買わなくても,とも思う。
まあ,勉強机の目の前に置いてあるとモチベーションは上がるかな?
講義:✕ 問題数:○ 解説:✕ 類題数:✕ 類題解説:✕
テクニック書
計算の仕方やマーク式試験対策等,特定の目的に特化したもの。
自分の数学力を高めてくれる良いものも多いんだけど,誰も勧めてくれないから意外と見落としがち。
読み物としても面白いものが多いから,他の学習参考書に飽きた時に眺めるのもありだね。
講義:◎ 問題数:○ 解説:○ 類題数:○ 類題解説:○