【定義・定理・公式】高校数学基本事項 – 数学Ⅲ – 極座標と極方程式

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極座標

【定義】

極座標,極,始線,偏角

平面上に点 $\mathrm{O}$ と半直線 $\mathrm{OX}$ を定めると,平面上の任意の点 $\mathrm{P}$ の位置は,$\mathrm{OP}$ の長さ $r$ と,$\mathrm{OX}$ から半直線 $\mathrm{OP}$ へ測った角 $\theta$ で決まる。ただし,$\theta$ は弧度法で表した一般角である。このとき,2つの数の組 $(r,\theta)$ を点 $\mathrm{P}$ の極座標といい,定点 $\mathrm{O}$ を,半直線 $\mathrm{OX}$ を始線,角 $\theta$ を偏角という。

※極 $\mathrm{O}$ の極座標は $\theta$ を任意の数として $(0,\theta)$ で定める。

※極座標では $(r,\theta)$ と $(r,\theta+2n\pi)$ ( $n$ は整数)は同じ点を表すため,ある点 $\mathrm{P}$ の極座標は1通りに定まらないが,極 $\mathrm{O}$ 以外の点に対して $0\leqq\theta <2\pi$ と制限すると $\mathrm{P}$ の極座標は1通りに定まる。

 

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極座標と直交座標

原点 $\mathrm{O}$ を極,$x$ 軸の正の部分を始線としたとき,点 $\mathrm{P}$ の直交座標を $(x,y)$,極座標を $(r,\theta)$ とすると

$\left \{ \begin{array}{l} x=r\cos\theta \\ y=r\sin\theta \end{array} \right.$

$\left \{ \begin{array}{l} r=\sqrt{x^2+y^2} \\ r\neq 0 のとき \cos\theta=\displaystyle\frac{x}{r},\sin\theta=\displaystyle\frac{y}{r} \end{array} \right.$

 

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2点間の距離,三角形の面積

$\mathrm{O}$ を極とする極座標で表された2点 $\mathrm{A}(r_1,\theta_1)$,$\mathrm{B}(r_2,\theta_2)$ ( $r_1>0$,$r_2>0$,$\theta_2\geqq\theta_1$ )に対して

  • 2点 $\mathrm{A}$,$\mathrm{B}$ 間の距離:$\mathrm{AB}=\sqrt{r_1^2+r_2^2-2r_1r_2\cos(\theta_2-\theta_1)}$
  • 三角形 $\mathrm{OAB}$ の面積 $S$:$S=\displaystyle\frac{1}{2}r_1r_2|\sin(\theta_2-\theta_1)|$

 

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円,直線の極方程式

  • 中心が極 $\mathrm{O}$,半径が $a$ の円:$r=a$
  • 中心が $(a,0)$,半径が $a$ の円:$r=2a\cos\theta$
  • 中心が $(r_0,\theta_0)$,半径が $a$ の円:$r^2+r_0^2-2rr_0\cos(\theta-\theta_0)=a^2$
  • 極 $\mathrm{O}$ を通り,始線と $\alpha$ の角をなす直線:$\theta=\alpha$
  • 点 $\mathrm{A}(a,\alpha)$ を通り,$\mathrm{OA}$ に垂直な直線:$r\cos(\theta-\alpha)=a$ ( $a>0$ )

※極方程式では $r<0$ の場合も考える。$r>0$ のとき,$(-r,\theta)$ と $(r,\theta+\pi)$ は同じ点である。

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