【定義・定理・公式】高校数学基本事項 – 数学Ⅲ – 関数の値の変化,最大と最小

スポンサーリンク

関数の増減

関数 $f(x)$,$g(x)$ が閉区間 $[a,b]$ で連続,開区間 $(a,b)$ で微分可能であるとする。

  • 区間 $(a,b)$ で常に $f'(x)>0$ $\Rightarrow$ $f(x)$ は区間 $[a,b]$ で増加 (逆は不成立)
  • 区間 $(a,b)$ で常に $f'(x)=0$ $\Rightarrow$ $f(x)$ は区間 $[a,b]$ で定数
  • 区間 $(a,b)$ で常に $f'(x)<0$ $\Rightarrow$ $f(x)$ は区間 $[a,b]$ で減少 (逆は不成立)
  • 区間 $(a,b)$ で常に $f'(x)=g'(x)$ $\Rightarrow$ 区間 $[a,b]$ で $g(x)=f(x)+C$ ( $C$ は定数)

 

スポンサーリンク

関数の極大と極小

【定義】

関数 $f(x)$ が連続で,$x=a$ を含む十分小さい開区間において

  • 「$x\neq a$ ならば $f(x)<f(a)$」であるとき $f(x)$ は $x=a$ で極大であり,$f(a)$ を極大値という。
  • 「$x\neq a$ ならば $f(x)>f(a)$」であるとき $f(x)$ は $x=a$ で極小であり,$f(a)$ を極小値という。

極大値と極小値をまとめて極値という。

関数 $f(x)$ が $x=a$ を境目として

  • 増加から減少に移ると $f(a)$ は極大値
  • 減少から増加に移ると $f(a)$ は極小値

【定理】

極値と導関数

関数 $f(x)$ が $x=a$ で微分可能であるとき

  • $f(x)$ が $x=a$ で極値をとる $\Rightarrow$ $f'(a)=0$ (逆は不成立)

$x=a$ を含む区間で $f^{\prime\prime}(x)$ は連続であるとする。

  • $f'(a)=0$ かつ $f^{\prime\prime}(a)<0$ $\Rightarrow$ $f(a)$ は極大値
  • $f'(a)=0$ かつ $f^{\prime\prime}(a)>0$ $\Rightarrow$ $f(a)$ は極小値

 

スポンサーリンク

関数の最大と最小

閉区間 $[a,b]$ で連続な関数 $f(x)$ の最大値・最小値は

  • 閉区間 $[a,b]$ における極値
  • 区間の両端 $f(a)$,$f(b)$

を比較して求める。

開区間 $(a,b)$ における $f(x)$ の最大値・最小値は

  • 開区間 $(a,b)$ における極値
  • 区間の両端の極限 $\displaystyle\lim_{x\to a+0}f(x)$,$\displaystyle\lim_{x\to a-0}f(x)$

を比較して求めるが,最大値・最小値が存在しない場合もある。

 

スポンサーリンク

曲線の凹凸・変曲点

曲線 $y=f(x)$ は

  • $f^{\prime\prime}(x)>0$ である区間:下に凸
  • $f^{\prime\prime}(x)<0$ である区間:上に凸

【定義】

変曲点:曲線の凹凸が入れ替わる境目の点

※$f^{\prime\prime}(x)=0$ のとき
$x=a$ の前後で $f^{\prime\prime}(x)$ の符号が変わる $\Rightarrow$ 点 $(a,f(a))$ は変曲点

※点 $(a,f(a))$ が曲線 $y=f(x)$ の変曲点 $\Rightarrow$ $f^{\prime\prime}(x)=0$ (逆は不成立)

 

スポンサーリンク

漸近線

関数 $y=f(x)$ のグラフにおいて

$\boldsymbol{x}$ 軸に垂直な漸近線

$\displaystyle\lim_{x\to a+0}f(x)$,$\displaystyle\lim_{x\to a-0}f(x)$ のうち,少なくとも1つが $\infty$ または $-\infty$ ならば,直線 $x=a$ が漸近線である。

$\boldsymbol{x}$ 軸に垂直でない漸近線

$\displaystyle\lim_{x\to \infty}\{f(x)-(ax-b)\}=0$ または $\displaystyle\lim_{x\to -\infty}\{f(x)-(ax-b)\}=0$ ならば,直線 $y=ax+b$ が漸近線である。

このとき,$\displaystyle{\lim_{x\to\pm\infty}x\left\{\frac{f(x)}{x}-\left(a+\frac{b}{x}\right)\right\}=0}$ から $\displaystyle{\lim_{x\to\pm\infty}\left\{\frac{f(x)}{x}-\left(a+\frac{b}{x}\right)\right\}=0}$ であるから,

直線 $y=ax+b$ が曲線 $y=f(x)$ の漸近線 $\Leftrightarrow$ $a=\displaystyle{\lim_{x\to\pm\infty}\frac{f(x)}{x}}$,$b=\displaystyle\lim_{x\to\pm\infty}\{f(x)-ax\}$

$a=0$ のとき,すなわち $\displaystyle\lim_{x\to\infty}f(x)=b$ または $\displaystyle\lim_{x\to -\infty}f(x)=b$ ならば,直線 $y=b$ が漸近線である。

 

スポンサーリンク

関数のグラフの概形をかく手順

  1. 変域:$x$,$y$ の変域に気をつけてグラフの存在範囲を求める。
  2. 対称性:$x$ 軸,$y$ 軸,原点やその他の点・直線が対称の軸,中心でないか調べる。
  3. 増減・極値:$y’$ の符号の変化を調べる。
  4. 凹凸・変曲点:$y^{\prime\prime}$ の符号の変化を調べる。
  5. 漸近線:$x\to\pm\infty$ のときの $y$,$y\to\pm\infty$ のときの $x$ を調べる。
  6. 座標軸との交点:$x=0$ のときの $y$ の値,$y=0$ のときの $x$ の値を調べる。

 

 

タイトルとURLをコピーしました