1つの不等式を式変形する場合
○「無条件にやっていいこと」
- 両辺に $c$ を加える→不等号の向きはそのまま
- 両辺から $c$ を引く→不等号の向きはそのまま
- 両辺に $c$ を掛ける→$c$ の符号によって不等号の向きが変わる
- 両辺を $c$ で割る→$c$ の符号によって不等号の向きが変わる
△「条件を確認してからやるべきこと」
- 両辺の逆数をとる→両辺が同符号か異符号かによって結果が異なる
$a$,$b$ が同符号のとき $a>b$ $\Leftrightarrow$ $\frac{1}{a} < \frac{1}{b}$
$a$,$b$ が異符号のとき $a>0>b$ $\Leftrightarrow$ $\frac{1}{a} > \frac{1}{b}$ - 両辺を平方する→符号と絶対値によって結果が異なる
$a>b>0$ $\Leftrightarrow$ $a^2>b^2$
$a>0>b$,$|a|>|b|$ $\Leftrightarrow$ $a^2>b^2$
$a>0>b$,$|a|<|b|$ $\Leftrightarrow$ $a^2<b^2$ - 両辺の平方根をとる→両辺が正ならば不等号の向きはそのまま
※両辺が正でなければ平方根をとることはできない
2つの不等式を式変形する場合
○「無条件にやっていいこと」
- 辺々を加える→不等号の向きを揃えれば辺々を加えてよい
$a>b$,$c>d$ $\Leftrightarrow$ $a+c>b+d$
△「条件を確認してからやるべきこと」
- 辺々を掛ける→両辺が正ならば辺々を掛けてよい
$a>b>0$,$c>d>0$ $\Leftrightarrow$ $ac>bd$
✕「やってはいけないこと」
- 辺々を引く→両辺に $-1$ を掛けるなどして,辺々を加える形にしなければならない
$a>b$,$c>d$ $\Leftrightarrow$ $a-c>b-d$ は誤り - 辺々を割る→両辺の逆数をとるなどして,辺々を掛ける形にしなければならない
$a>b$,$c>d$ $\Leftrightarrow$ $\frac{a}{c} > \frac{b}{d}$ は誤り