【定義・定理・公式】高校数学基本事項 – 数学Ⅲ – 複素数の極形式,ド・モアブルの定理

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極形式

【定義】

極形式

複素数平面上で,$0$ でない複素数 $z=a+bi$ を表す点を $\mathrm{P}$,$\mathrm{OP}=r$,$\mathrm{OP}$ が実軸の正の部分となす角を $\theta$とすると,$r=\sqrt{a^2+b^2}$,$a=r\cos\theta$,$b=r\sin\theta$ であり

複素数 $z$ の極形式:$z=r(\cos\theta+i\sin\theta)$

このとき,$r=|z|$ で,$\theta$ を $z$ の偏角といい $\boldsymbol{\mathrm{arg}z}$ と表す。

※偏角 $\theta$ は $0\leqq\theta <2\pi$ または $-\pi <\theta\leqq\pi$ の範囲でただ1通りに定まる。

※$z$ の偏角の1つを $\theta_0$ とすると,$\mathrm{arg}z=\theta_0+2n\pi$ ( $n$ は整数) である。

 

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極形式で表された複素数の積と商

$\alpha=r_1(\cos\theta_1+i\sin\theta_1)$,$\beta=r_2(\cos\theta_2+i\sin\theta_2)$ とすると

複素数 $\alpha$,$\beta$ の積

  • $\alpha\beta=r_1r_2\{\cos(\theta_1+\theta_2)+i\sin(\theta_1+\theta_2)\}$
  • $|\alpha\beta|=|\alpha||\beta|$
  • $\mathrm{arg}\alpha\beta=\mathrm{arg}\alpha+\mathrm{arg}\beta$

複素数 $\alpha$,$\beta$ の商

  • $\displaystyle{\frac{\alpha}{\beta}=\frac{r_1}{r_2}\{\cos(\theta_1-\theta_2)+i\sin(\theta_1-\theta_2)\}}$
  • $\displaystyle{\left|\frac{\alpha}{\beta}\right|=\frac{|\alpha|}{|\beta|}}$
  • $\mathrm{arg}\displaystyle\frac{\alpha}{\beta}=\mathrm{arg}\alpha-\mathrm{arg}\beta$

 

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原点を中心とする回転

2つの複素数 $\alpha=r(\cos\theta+i\sin\theta)$ と $z$ に対して,点 $\alpha z$ は点 $z$ を原点を中心として $\theta$ だけ回転し,さらに原点からの距離を $r$ 倍した点である。

  • $|\alpha z|=|\alpha||z|=r|z|$
  • $\mathrm{arg}\alpha z=\mathrm{arg}\alpha+\mathrm{arg}z=\mathrm{arg}z+\theta$

 

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ド・モアブルの定理

【定理】

ド・モアブルの定理

$n$ が整数のとき

$(\cos\theta+i\sin\theta)^n=\cos n\theta+i\sin n\theta$

 

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1の $n$ 乗根

複素数 $\alpha$ と $2$ 以上の整数 $n$ に対して,方程式 $z^n=\alpha$ の解を $\alpha$ の $\boldsymbol{n}$ 乗根という。

$1$ の $n$ 乗根は $n$ 個あり,それらを $z_k$ とすると

$\displaystyle{z_k=\cos\frac{2k\pi}{n}+i\sin\frac{2k\pi}{n}}$ ( $k=0,1,\cdots\cdots,n-1$ )

$n\geqq 3$ のとき,複素数平面上で $z_k$ を表す点は,単位円に内接する正 $n$ 角形の各頂点である。特に,頂点の $1$ つは実軸上の点 $1$ である。

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