Mathrao

【定理・公式・証明】高校数学定理・公式 – 数学A – 倍数の判定法

スポンサーリンク

倍数の判定法①(2の倍数,5の倍数)

$n$ を正の整数とするとき,

$n$ が2の倍数 $\Longleftrightarrow$ $n$ の一の位が2の倍数

$n$ が5の倍数 $\Longleftrightarrow$ $n$ の一の位が5の倍数

証明

一般に, $n$ の一の位を $a$ とすると,整数 $m$ を用いて

$n=10m+a$

と表すことができる。

ここで, $10m$ は2の倍数であるから,①より $n$ が2の倍数となる条件は, $a$ が2の倍数であること,すなわち

$n$ の一の位が2の倍数であること

である。

また, $10m$ は5の倍数であるから,①より $n$ が5の倍数となる条件は, $a$ が5の倍数であること,すなわち

$n$ の一の位が5の倍数であること

である。

例えば,一の位が2の倍数である数1246は,

$1246=1240+6=2 \times (620+3)$

であるから2の倍数である。

また,一の位が5の倍数である数3525は,

$3525=3520+5=5 \times (704+1)$

であるから5の倍数である。

スポンサーリンク

倍数の判定法②(4の倍数,8の倍数)

$n$ が2桁以上の正の整数のとき,

$n$ が4の倍数 $\Longleftrightarrow$ $n$ の下2桁が4の倍数

$n$ が3桁以上の正の整数のとき,

$n$ が8の倍数 $\Longleftrightarrow$ $n$ の下3桁が8の倍数

証明

2桁以上の正の整数 $n$ において,その下2桁を $a$ とすると, $n$ は整数 $m$ を用いて

$n=100m+a$

と表すことができる。 $100=4 \times 25$ より $100m$ は4の倍数であるから, $n$ が4の倍数となる条件は, $a$ が4の倍数であること,すなわち

$n$ の下2桁が4の倍数となること

である。

3桁以上の正の整数 $n$ において,その下3桁を $b$ とすると,$n$ は整数 $m$ を用いて
$n=1000m+b$

と表すことができ, $1000=8 \times 125$ より, $1000m$ は8の倍数であることから, $n$ が8の倍数となる条件は, $b$ が8の倍数であること,すなわち

$n$ の下3桁が8の倍数となること

である。

例えば,下2桁が4の倍数である数4128は,

$4128=4100+28=4 \times (1025+7)$

であるから4の倍数である。

また,下3桁が8の倍数である数32128は,

$32128=32000+128=8 \times (4000+16)$

であるから,8の倍数である。

 

スポンサーリンク

倍数の判定法③(3の倍数,9の倍数)

$n$ を正の整数とするとき,

$n$ が3の倍数 $\Longleftrightarrow$ $n$ の各位の和が3の倍数

$n$ が9の倍数 $\Longleftrightarrow$ $n$ の各位の和が9の倍数

証明

正の整数 $n$ について,その $10^k$ の位を $a_{k}$ とおく。ただし,一の位は $a_{0}$ とする。

このとき, $n$ の最高位が $10^m$ の位であるとすると,

$n=a_{m} \times 10^m +a_{m-1} \times 10^{m-1} + \cdots + a_{2} \times 10^2 + a_{1} \times 10^1 +a_{0}$

$=a_{m} (10^m -1) + a_{m-1} (10^{m-1} -1) + \cdots + a_{2} (10^2 -1)+a_{1} (10-1) + (a_{m} + a_{m-1} + \cdots + a_{2} +a_{1} +a_{0})$

と表すことができる。

ここで, $k$ を正の整数とするとき,二項定理より,

$10^k -1 =(9+1)^k -1$

$=_{k} C_{0} \cdot 9^k + _{k} C_{1} \cdot 9^{k-1} + \cdots + _{k} C_{k-1} \cdot 9+ _{k} C_{k} -1$

$= 9( _{k} C_{0} \cdot 9^{k-1} + _{k} C_{1} \cdot 9^{k-2} + \cdots + _{k} C_{k-1} )$

$=(9の倍数)$

である。よって $a_{m} (10^m -1) +a_{m-1} (10^{m-1} -1+ \cdots +a_{2} (10^2 -1) +a_{1} (10-1)$ は9の倍数である。(つまり3の倍数でもある)から, $n$ が3の倍数となる条件は,

$a_{m} + a_{m-1} + \cdots + a_{1} + a_{0}$ (=各位の和)が3の倍数となることであり,$n$ が9の倍数となる条件は,

$a_{m} + a_{m-1} + \cdots + a_{1} + a_{0}$ (=各位の和)が9の倍数となることである。