そろばん(暗算)ができる人はかっこいい!
みんなの周りにはそろばんができる人はいるかな?
いたとしたら,その人が何かのタイミングで暗算して「おー!」と盛り上がった経験があるのでは?
それだけじゃなく,社会に出ても,計算が早いと一目置かれる瞬間があったりなかったり。
じゃあそろばんができる人は算数・数学が得意なのか?
確かに単純計算は早くなる!が…
僕自身そろばんを習っていたわけではないけど,多くのそろばん経験者,非経験者を教えてきた感覚から言うと,そろばんはかなり危うい!
そろばんができる人はとにかく計算が早いんだけど,それが通用するのは単純な四則演算の話。
中学生になればその計算をする回数は一気に減るし,むしろ,大事な練習の機会を失っている可能性がある。
その練習とは「工夫して計算する」ことと「記述する」こと。
「工夫して計算する」こと
教える先生にもよるけど,小学校の3,4年あたりから工夫して計算しよう,という問題が出されるようになる。
実は,この「工夫して計算する」という問題には,算数・数学的にとても大事な要素がたくさん含まれている。
かけ算の並べ替え,通分,約分,因数分解,etc…
確かに,そろばんをやっていると計算が早いから工夫しなくても早く答えが出せる。
それで良いじゃんと思うかもしれないけど,その計算は対象が数字だから。
それがxやy等の文字に変わった瞬間そろばんは崩れ去る。
逆に,上に書いた要素は高校の最後まで通用する。
そろばんができる子が中学校の文字式の計算あたりでつまずいてしまうのはあるあるなんだよ。
「記述する」こと
そろばんができる子には途中式をはぶいてしまう子がとても多い。
計算が早いから途中式なんてかく必要がない,ということなんだろうね。
でも「考え方を書きなさい」という問題が出るとかなりの確率で手が止まる。
頭の中でやっていたことを式や文章で説明することをしてこなかったからだと思う。
この「考え方」に対する苦手意識を引きずると,中学校の証明あたりで完全に数学嫌いになってしまうかも。
これらの状態にならないためには…
結局,学校の先生次第。
計算が早いからといってそれに頼ってばかりいたら後々困るよ,と根気強く教えてもらうしかない。
子どものできることを禁止するというのは,一歩間違えれば自信喪失,数学嫌いに一直線だから,本当に教えるのが難しいんだよ。
メリットはないの?
「某有名大学の合格者の大半はそろばん経験者!」
「そろばんができれば暗算ができる!」
ってどこかしらで聞いたことあるよね?
当然メリットもたくさんあって,計算が速いとか,小学校低学年で習えば数字に対する抵抗がなくなるとか,算数では3年生くらいまで連続満点なんてこともあるかもしれない。
仕事でも,日常生活でも役に立つかもしれない。
でも「そろばんやってて良かった!」って言える人は,そろばんやってなくても大丈夫な人だと思う。
そろばんが勉強や仕事に役立つには,長い期間教室に通って,訓練して,そこそこの級を取らなきゃいけない。
ということは,「継続」しなきゃいけないんだよ。
どんなきっかけにせよ,そろばんに楽しさや便利さを見出して続けられるのは,もはや素質。
結局うちの子どうしよう…
子どもをそろばん教室に通わせるか迷っているお父さんお母さん。
小学生くらいで「そろばんに通いたい!」って言い出す子は”まれ”なので,とりあえず通わせてみてはいかがでしょうか。
先生や友達,環境にもよるので,好きになれたらラッキーくらいのつもりで良いと思います。
デメリットばかり挙げて言うのもなんですが,やっぱりメリットも多いので。