ほとんどの人が一度は言われたことがあるはず
「ちゃんと問題読みなさいよ」
先生や友達から言われたことあるよね?
うるさいなーと思いつつも,言い返す言葉はないし。
ただ,この“ちゃんと”の部分に実は色々な意味がある,ということを教える側が伝えきれてないことが多いのは気になる。
じゃあなんで「ちゃんとー」って言われるのかな?
① 単純に読み間違い
単純に数字や文字を読み間違えたまま解き進めて,答えがカオスになったり出なかったり。
問題を読み返せばいいものの,なぜかそれをしなかったり。
② 問題文に書いてあるのに気づかなかった
問題文は解答のスタート地点。
そこを”ちゃんと”読まなかったら,ゴールにたどり着かなかったり,違うゴールを目指してしまったりするのも当然。
高校でありがちなのは,関数の問題で係数の条件「0<a」を見逃して解がたくさん出てしまうとか。
③ 聞いてることと答えてることが違う
あるよねー。
これが一番多いんじゃないかな。
時間を聞かれてるのに速さを答えちゃったり,通り数を聞かれてるのに確率を答えちゃったり。
これはゴールを”ちゃんと”確認しなかったってこと。
勉強しすぎの君が陥りやすいミスなのだ
正直,算数・数学ができない人がこの「ちゃんとー」と言われても,なんの意味もない。
だって,ちゃんと読めていても書いてあることの意味がわからないわけだから,一言一句読んだって結果は変わらない。
じゃあ,どういう人が真面目にこの忠告を聞くべきなのか?
それは,日頃から勉強をしていて,問題を解くことに慣れきっている君さ!
小中の間はそこまで頭をつかうような問題がないから,「算数・数学の勉強=反復練習」になる。
反復練習を繰り返すと,問題文の認識速度が上がって,全部をちゃんと読まずにキーワードで問題の内容を把握するようになる。
いわゆる一問一答症候群の一症状。
タチが悪いのは,勉強すればするほど自分に自信がつくから,「問題をちゃんと読まなかったからミスした」という事実を受け流す困ったちゃんになる。
自分のミス,受け止めよ?
受け止めることから成長が始まるんだよ。
ちなみに,この一問一答症候群を治さないと,高校に行った途端に数学が苦手になる。
なぜなら,単純に問題の種類が増えるし,学校で副教材(応用問題が載った問題集等)も使うようになると,一問一答できないレベルの難しい問題も増えるから。
さらに,難しい大学を受験することになれば,問題集に載っているような問題がそのまま出るはずもなく,応用力が必要になるしね。
実際,高校に入ってからもその方法を続けてしまったがために挫折した,という子は何人も見たよ…
対策法はある?
当然,対策法はあるよ。
それは「ちゃんと記述すること」
一問一答症候群の症状に,「ほとんど記述しない」というものがある。
言葉はもちろん,式も書かずに答えを書いたりね。
つまり,頭の中で全てを進めるから,2段階,3段階に計算が必要な問題になると,どこからその数字がやってきたのか気にもしなくなる。
答えが出たからいいや,ですませると,当然見直しもおざなり。
結果,ミスる。
そうならないためには,日頃からちゃんと記述すればいい。
「( ① )という条件から,( ② )という式が立ち,これを解くと( ③ )という解を得る。」
最初はくどいくらいでいい。
落ち着いて,誰が見てもどう解いたか分かるように書いてほしい。
こうやってちゃんと書くことによって,見直しも①~③まで3箇所発生する。
見直しと聞くと③のことしか考えない人がほとんどだからね。
さらに,ちゃんと記述すれば,解き終わったあとに自分で書いた解答をもう一度見て,自分の思考の経路を確認できる。
これこそ記述力はもちろん,数学力を伸ばすのに必要な勉強法だよ。
まとめ
問題をちゃんと読まないというのは,ただのおっちょこちょいで済まされる話じゃない。
今までの自分の勉強法,思考法,くせ,色々なことが垣間見えるミスなんだよ。
しっかりと自分のミスと向き合って,正しく数学を勉強していく頭を作っていこう。