合同式は,学習指導要領の範囲外の内容であるが,整数の問題を処理するときにはとても有用であるので,ここで扱っておく。
以下,$m$ は正の整数,$a$,$b$ は整数とする。
合同式
【定義】
$a$,$b$ が $m$ を法として合同:$a-b$ が $m$ の倍数であること
合同式:$a$,$b$ が $m$ を法として合同を $a \equiv b ( \bmod m)$ と表したもの
※$a$ と $b$ が $m$ を法として合同であるとき,次の関係が成り立つ。
$a \equiv b ( \bmod m)$
$\Leftrightarrow$ $a-b$ が $m$ の倍数 [$a-b=mk$ ( $k$ は整数)] :定義
$\Leftrightarrow$ ( $a$ を $m$ で割った余り) $=$ ( $b$ を $m$ で割った余り)
合同式の性質
【定理】
合同式の性質Ⅰ
- $a \equiv a ( \bmod m)$
- $a \equiv b ( \bmod m)$ のとき $b \equiv a ( \bmod m)$
- $a \equiv b ( \bmod m)$,$b \equiv c ( \bmod m)$ のとき $a \equiv c ( \bmod m)$
※$a \equiv b ( \bmod m)$,$b \equiv c ( \bmod m)$ を $a \equiv b \equiv c ( \bmod m)$ と書いても良い。
合同式の性質Ⅱ
$a \equiv b ( \bmod m)$,$c \equiv d ( \bmod m)$ のとき,次のことが成り立つ。
- $a+c \equiv b+d ( \bmod m)$
- $a-c \equiv b-d ( \bmod m)$
- $ac \equiv bd ( \bmod m)$
- 自然数 $m$ に対し $a^n \equiv b^n ( \bmod m)$