円の直線
- 円 $\mathrm{O}$ の周上の点 $\mathrm{A}$ を通る直線 $l$ について
直線 $l$ が点 $\mathrm{A}$ で円 $\mathrm{O}$ に接する $\Leftrightarrow$ $\mathrm{OA} \perp l$
が成り立つ。 - 円の外部の点から円に引くことができる接線は2本ある。
- 円の外部の点から円に接線を引いたとき,外部の点と接点の間の距離を接線の長さという。
【定理】
円の接線
円の外部の1点 $\mathrm{P}$ からその円に引いた2本の接線の長さは等しい。
接弦定理
円 $\mathrm{O}$ の弦 $\mathrm{AB}$ と,その端点 $\mathrm{A}$ における接線 $\mathrm{AT}$ が作る角 $\angle \mathrm{BAT}$ は,その角の内部に含まれる $\stackrel{ \Large \frown }{\mathrm{AB}}$ に対する円周角 $\angle \mathrm{ACB}$ に等しい。
接弦定理の逆
円 $\mathrm{O}$ の $\stackrel{ \Large \frown }{\mathrm{AB}}$ と半直線 $\mathrm{AT}$ が直線 $\mathrm{AB}$ の同じ側にあって,$\stackrel{ \Large \frown }{\mathrm{AB}}$ に対する円周角 $\angle \mathrm{ACB}$ が $\angle \mathrm{BAT}$ に等しいとき,直線 $\mathrm{AT}$ は点 $\mathrm{A}$ で円 $\mathrm{O}$ に接する。
方べきの定理Ⅰ
円の2つの弦 $\mathrm{AB}$,$\mathrm{CD}$ の交点,またはそれらの延長の交点を $\mathrm{P}$ とすると $\mathrm{PA} \cdot \mathrm{PB} = \mathrm{PC} \cdot \mathrm{PD}$ が成り立つ。
※円の中心を $\mathrm{O}$,半径を $r$ とすると $\mathrm{PA} \cdot \mathrm{PB} =| \mathrm{OP}^2-r^2|$
方べきの定理Ⅱ
円の外部の点 $\mathrm{P}$ から円に引いた接線の接点を $\mathrm{T}$ とする。点 $\mathrm{P}$ を通ってこの円と2点 $\mathrm{A}$,$\mathrm{B}$ で交わる直線を引くと $\mathrm{PA} \cdot \mathrm{PB} = \mathrm{PT}^2$ が成り立つ。
方べきの定理の逆
2つの線分 $\mathrm{AB}$ と $\mathrm{CD}$,または $\mathrm{AB}$ の延長と $\mathrm{CD}$ の延長が点 $\mathrm{P}$ で交わるとき,$\mathrm{PA} \cdot \mathrm{PB} = \mathrm{PC} \cdot \mathrm{PD}$ が成り立つならば,4点 $\mathrm{A}$,$\mathrm{B}$,$\mathrm{C}$,$\mathrm{D}$ は1つの円周上にある。
2つの円の位置関係と共通接線
【定義】
共通接線:2つの円に接している直線
共通内接線:2つの円が両側にある共通接線
共通外接線:2つの円が同じ側にある共通接線
半径がそれぞれ $r$,$r’$ ( $r>r’$ )である2つの円の中心間の距離を $d$ とすると,2つの円の位置関係は5種類に分けられ,それによって共通接線の本数が定まる。
位置関係 | 一方が他方の内部にある | 内接する | 2点で交わる | 外接する | 一方が他方の外部にある |
条件 | $d<r-r’$ | $d=r-r’$ | $r-r'<d<r+r’$ | $d=r+r’$ | $d>r+r’$ |
共通内接線の本数 | 0 | 0 | 0 | 1 | 2 |
共通外接線の本数 | 0 | 1 | 2 | 2 | 2 |
共通接線の本数 | 0 | 1 | 2 | 3 | 4 |
※2つの円が接するとき,この共有点を接点といい,接点は2つの円の中心を結ぶ直線上にある。