関数の極限
関数の極限 | 1つの有限な値(=極限値) | 極限値がある | 極限がある |
$\infty$ | 極限値がない | ||
$-\infty$ | |||
極限がない | 極限がない |
右側極限 $\displaystyle\lim_{x\to a+0}f(x)$:$x>a$ の範囲で,$x\to a$ のときの $f(x)$ の極限
左側極限 $\displaystyle\lim_{x\to a-0}f(x)$:$x<a$ の範囲で,$x\to a$ のときの $f(x)$ の極限
関数の極限値の性質
【定理】
関数の極限値の性質
$\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=\alpha$,$\displaystyle\lim_{x\to a}g(x)=\beta$ ($\alpha$,$\beta$ は有限な値),$k$,$l$ は定数とする。
- $\displaystyle\lim_{x\to a}(kf(x)+lg(x))=k\alpha+l\beta$
- 積:$\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)g(x)=\alpha\beta$
- 商:$\displaystyle\lim_{x\to a}\frac{f(x)}{g(x)}=\frac{\alpha}{\beta}$ ( $\beta\neq 0$ )
指数関数,対数関数の極限
指数関数 $y=a^x$
- $1<a$ のとき $\displaystyle\lim_{x\to\infty}a^x=\infty$,$\displaystyle\lim_{x\to -\infty}a^x=0$
- $0<a<1$ のとき $\displaystyle\lim_{x\to\infty}a^x=0$,$\displaystyle\lim_{x\to -\infty}a^x=\infty$
対数関数 $y=\log_ax$
- $1<a$ のとき $\displaystyle\lim_{x\to\infty}\log_ax=\infty$,$\displaystyle\lim_{x\to +0}\log_ax=-\infty$
- $0<a<1$ のとき $\displaystyle\lim_{x\to\infty}\log_ax=-\infty$,$\displaystyle\lim_{x\to +0}\log_ax=\infty$
関数の極限値の大小関係
$\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=\alpha$,$\displaystyle\lim_{x\to a}g(x)=\beta$ とする。
- $x=a$ の近くで,常に $f(x)\leqq g(x)$ $\Rightarrow$ $\alpha\leqq\beta$
- $x=a$ の近くで,常に $f(x)\leqq h(x)\leqq g(x)$ かつ $\alpha=\beta$ $\Rightarrow$ $\displaystyle\lim_{x\to a}h(x)=\alpha$ (はさみうちの原理)
十分大きい $x$ で,常に $f(x)\leqq g(x)$ かつ $\displaystyle\lim_{x\to\infty}f(x)=\infty$ $\Rightarrow$ $\displaystyle\lim_{x\to\infty}g(x)=\infty$
三角関数の極限
$\displaystyle\lim_{x\to 0}\frac{\sin x}{x}=1$
$\displaystyle\lim_{x\to 0}\frac{x}{\sin x}=1$
※$x$ の単位はラジアン
関数の連続・不連続
【定義】
$\boldsymbol{x=a}$ で連続
関数 $f(x)$ において,その定義域の $x$ の値 $a$ に対して,極限値 $\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)$ が存在し,かつ $\displaystyle\lim_{x\to a}f(x)=f(a)$ のとき,$f(x)$ は $\boldsymbol{x=a}$ で連続であるという。
※$x=a$ で連続であるということは,$y=f(x)$ のグラフが $x=a$ で繋がっているということである。
$\boldsymbol{x=a}$ で不連続
関数 $f(x)$ がその定義域の $x$ の値 $a$ で連続でないとき,$f(x)$ は $\boldsymbol{x=a}$ で不連続であるという。
※$x=a$ で連続であるということは,$y=f(x)$ のグラフが $x=a$ で切れているということである。
【定理】
関数 $f(x)$,$g(x)$ が定義域の $x$ の値 $a$ で連続ならば,次の関数も $x=a$ で連続である。ただし,$k$,$l$ は定数。
- $kf(x)+lg(x)$
- $f(x)g(x)$
- $\displaystyle\frac{f(x)}{g(x)}$ ( $g(a)\neq 0$ )
連続関数の性質
【定理】
最大値・最小値の定理
閉区間で連続な関数は,その閉区間で最大値および最小値をとる。
中間値の定理(1)
関数 $f(x)$ が閉区間 $[a,b]$ で連続で,$f(a)\neq f(b)$ ならば,$f(a)$ と $f(b)$ の間の任意の値 $k$ に対して,$f(c)=k$,$a<c<b$ を満たす実数 $c$ が少なくとも1つある。
中間値の定理(2)
関数 $f(x)$ が閉区間 $[a,b]$ で連続で,$f(a)$ と $f(b)$ が異符号ならば,方程式 $f(x)=0$ は $a<x<b$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもつ。(逆は不成立)