指数の定義と指数法則
【定義】
$a \neq 0$ で,$n$ が正の整数のとき
- $a^0=1$
- $a^{-n}= \frac{1}{a^n}$ 特に $a^{-1}= \frac{1}{a}$
【法則】
指数法則
$a \neq 0$,$b \neq 0$ で,$m$,$n$ が整数のとき
- $a^ma^n=a^{m+n}$
- $\displaystyle \frac{a^m}{a^n} =a^{m-n}$
- $(a^m)^n=a^{mn}$
- $(ab)^n=a^nb^n$
- $\left( \displaystyle \frac{a}{b} \right)^n= \displaystyle \frac{a^n}{b^n}$
累乗根
【定義】
$\boldsymbol{a}$ の $\boldsymbol{n}$ 乗根:$n$ を正の整数とするとき,$n$ 乗すると $a$ になる数
累乗根:2乗根,3乗根,……をまとめたもの
- $n$ が奇数のとき:$a$ の正負に関係なくただ1つあり,$\sqrt[n]{a}$ で表す。
- $n$ が偶数のとき:$a>0$ なら正負2つあり,$\pm \sqrt[n]{a}$ で表す。$a<0$ なら実数の範囲には存在しない。
- $\sqrt[n]{0} =0$
【定理】
累乗根の性質
$a>0$,$b>0$ で,$m$,$n$,$p$ が正の整数のとき
- $( \sqrt[n]{a} )^n =a$
- $\sqrt[n]{a} \sqrt[n]{b} = \sqrt[n]{ab}$
- $\displaystyle \frac{\sqrt[n]{a}}{\sqrt[n]{b}} = \sqrt[n]{\frac{a}{b}}$
- $( \sqrt[n]{a} )^m = \sqrt[n]{a^m}$
- $\sqrt[m]{\sqrt[n]{a}} = \sqrt[mn]{a}$
- $\sqrt[n]{a^m} = \sqrt[np]{a^{mp}}$
有理数の指数
【定義】
$a>0$ で,$m$,$n$ が正の整数,$r$ が正の有理数のとき
- $a^{\frac{m}{n}}= \sqrt[n]{a^m} =( \sqrt[n]{a} )^m$ 特に $a^{\frac{1}{n}} = \sqrt[n]{a}$
- $a^{-r} = \displaystyle \frac{1}{a^r}$
【法則】
指数法則
$a>0$,$b>0$ で,$r$,$s$ が有理数のとき
- $a^ra^s=a^{r+s}$
- $\displaystyle \frac{a^r}{a^s} = a^{r-s}$
- $(a^r)^s=a^{rs}$
- $(ab)^r=a^rb^r$
- $\left( \displaystyle \frac{a}{b} \right)^r = \displaystyle \frac{a^r}{b^r}$
指数関数
【定義】
$a$ を底とする $x$ の指数関数:$y=a^x$ ( $a>0$,$a \neq 1$ )
増加関数:$x$ の値が増加すると $y$ の値が増加する関数
減少関数:$x$ の値が増加すると $y$ の値が減少する関数
指数関数のグラフ
指数関数のグラフの特徴・性質
- 曲線
- 点 $(0,1)$,$(1,a)$ を通る
- $x$ 軸が漸近線
- $0<a<1$ のとき減少関数:$p<q \Leftrightarrow a^p<a^q$
- $1<a$ のとき増加関数:$p<q \Leftrightarrow a^p>a^q$
- 定義域は実数全体,値域は正の数全体
指数方程式・指数不等式
【定義】
指数方程式:指数関数を含む方程式
指数不等式:指数関数を含む不等式
底を $a$ ( $a>0$,$a \neq 1$ ),$b$ を定数とすると
- 方程式 $a^x=a^b$ の解は $x=b$
- 不等式 $a^x>a^b$ の解は $0<a<1$ のとき $x<b$,$1<a$ のとき $x>b$
- 不等式 $a^x<a^b$ の解は $0<a<1$ のとき $x>b$,$1<a$ のとき $x<b$