2次不等式は解の形が多いため,自分の中でフローチャートを組み立てて解く練習をしないと,速く,正確に解くことが難しい。
以下,フローチャートの1例である。
ポイントは,$y=(左辺)$ のグラフの状態(浮き沈み,$x$ 切片)把握→解答の流れ。
$a>0$ に変形
2次不等式の左辺 $ax^2+bx+c$ において,$a<0$ のときは両辺に $-1$ を掛ける。
$y=(左辺)$ のグラフの状態把握
因数分解できるか確認
判別式より速く因数分解できるのであれば先に確認する。
因数分解できる $\Leftrightarrow$ グラフが $x$ 軸と交わる
特に,左辺が $( \ )^2$ の形に変形できる場合は,グラフは $x$ 軸に接する。
判別式の利用
因数分解の判断ができない,または,因数分解できない場合は判別式を利用する。
- $D \geqq 0$ の場合:$(左辺)=0$ の方程式を解いて $x$ 切片を求める。
- $D<0$ の場合:解は「すべての実数」か「なし」に絞られる。
解を求める
グラフの状態把握ができたら,不等号と照らし合わせて解を求める。
ポイントは,
- $ax^2+bx+c<0$ $\Leftrightarrow$ 「 $y=ax^2+bx+c$ のグラフが $x$ 軸より下になる $x$ の値の範囲は?」
- $ax^2+bx+c \leqq 0$ $\Leftrightarrow$ 「 $y=ax^2+bx+c$ のグラフが $x$ 軸以下になる $x$ の値の範囲は?」
- $ax^2+bx+c>0$ $\Leftrightarrow$ 「 $y=ax^2+bx+c$ のグラフが $x$ 軸より上になる $x$ の値の範囲は?」
- $ax^2+bx+c \geqq 0$ $\Leftrightarrow$ 「 $y=ax^2+bx+c$ のグラフが $x$ 軸以上になる $x$ の値の範囲は?」
と,不等号に応じて読み替えることで,解を全種類覚える必要がなくなる。