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【定義・定理・公式】高校数学基本事項 – 数学Ⅰ – 【補足】共通範囲と合わせた範囲

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共通範囲と合わせた範囲

不等式の問題や,場合分けを必要とするような問題では,「共通範囲」と「合わせた範囲」を求める場面が多々あるので,どちらの範囲を求めるべきか,正しく判断する必要がある。

 

【定義】

2つの条件 $p$,$q$ について,

$p$ かつ $q$:$p$ と $q$ のどちらも満たす条件

$p$ または $q$:$p$ と $q$ の少なくとも一方を満たす条件

 

これらの定義を確認した上で,「共通範囲」と「合わせた範囲」について再確認すると,

$p$ と $q$ の共通範囲:「$p$ かつ $q$」を満たす範囲

$p$ と $q$ の合わせた範囲:「$p$ または $q$」を満たす範囲

となり,不等式を数直線で考えると,

$p$ と $q$ の共通範囲:2つの不等式の範囲が重なっている範囲

$p$ と $q$ の合わせた範囲:2つの不等式の少なくとも一方の範囲となっている範囲

 

ここからは具体例を交えて解説していく。

 

例)

不等式 $|2x-4|<x+1$ を解け。

【解答】

(i) $2x-4<0$ すなわち $\color{red}{x<2}$ のとき

$|2x-4|=-(2x-4)$ より

$\begin{array}{rcl} -(2x-4) & < & x+1 \\ \color{red}{1} & \color{red}{<} & \color{red}{x} \end{array}$

よって $\color{red}{1<x<2}$

(ii) $2x-4 \geqq 0$ すなわち $\color{blue}{2 \leqq x}$ のとき

$|2x-4|=2x-4$ より

$\begin{array}{rcl} 2x-4 & < & x+1 \\ \color{blue}{x} & \color{blue}{<} & \color{blue}{5} \end{array}$

よって $\color{blue}{2 \leqq x<5}$

(i),(ii) より $\color{green}{1<x<5}$

 

まず,$\color{red}{x<2}$ と $\color{blue}{2 \leqq x}$ は,絶対値の外し方に則って実数 $x$ の範囲を2つに分けた場合分けの条件である。

場合分けは,条件をいくつかの場合に分けて解答を進める解法なので,場合1つ1つの条件以外の範囲は存在しないものとして考える。

すると,場合(i)では $\color{red}{x<2}$ 以外の範囲は存在しないものとして $\color{red}{1<x}$ が導かれたので,場合(i)の解は,$\color{red}{x<2}$ の外側になることはない。

よって,場合(i)の解は,$\color{red}{x<2}$ と $\color{red}{1<x}$ の共通範囲をとって $\color{red}{1<x<2}$ となる。

同様に,場合(ii)の解は,$\color{blue}{2 \leqq x}$ と $\color{blue}{x<5}$ の共通範囲をとって $\color{blue}{2 \leqq x<5}$ となる。

最後に,場合(i)と(ii)で導かれた解は場合が分けられているがどちらも与式の解であるから,$\color{red}{1<x<2}$ と $\color{blue}{2 \leqq x<5}$ の合わせた範囲である $\color{green}{1<x<5}$ が与式の解となる。